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スター・システム
Star System(英)/Culte des Vedettes(仏)/Divismo(伊)/Starsystem(独)

 スター(花形有名人)を意図的に作り上げるための一連のシステム。
チャールズ・チャップリン(Charles Spencer Chaplin, Jr)らが1,919年に設立したユナイテッド・アーティスツ(United Artists)が用いた手法で、誇大広告私生活統制などにより花形映画俳優を数多く輩出しました。

 この拡大解釈で、既に有名な花形俳優を中心に製作される映画やドラマの手法を指して、スター・システムと呼ばれることがあります。
この手法で製作された作品は話題を呼び込むことに優れますが、原作のイメージや俳優の演技力が二の次になるデメリットがあります。

 また漫画家の手塚治虫は、後者のスター・システムにヒントを得て、自身の漫画のキャラクターを1人の俳優と見なし、複数の異なる作品で別々の役柄を「演じさせる」という手法を考案しました。
この手法にはキャラクターの性格や位置付けを感覚的に読者に伝えることができるという利点がありますが、一方で前述の意図が読者に伝わらず、キャラクター発案能力や描き分け能力の不足を言及される要因にも成り得ます。

 前者、本来のスター・システムはハリウッドでは既に廃れたシステムですが、現代の日本では芸能界やスポーツ界などで尚も盛んに用いられています。
ただしそれを指してスター・システムと呼ばれることはあまりなく、どちらかというと後者、漫画に過去作品のキャラクターが登場する(全くの同一人物も含む)ケースの方を指して語が用いられることが多いようです。