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セカイ系

 「『新世紀エヴァンゲリオン』のような作品」を揶揄する言葉として2,002年から用いられるようになった用語。
大まかには「主人公とそれを取り巻くごく限られたコミュニティの選択のみで世界の命運が左右されてしまう作品」のこととされますが、元々が「エヴァのような」という曖昧な定義でそれに対しイメージするものが人によって違うため、論者によって様々な定義が為されます。

 セカイ系と呼ばれる作品に共通して見られる傾向としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
主人公は多感な年頃の少年などで、学校など自身を取り巻く限られたコミュニティが世界の全て(→セカイ)と認識している(※)。
物語はそのセカイの中だけで進行し、描写は主人公の心理描写に重きが置かれる。
主人公はヒロインの命と世界の命運の二者択一を迫られることが多い。
他の国や地域など外に世界が広がっていることは知識として持ち合わせていても、テレビの中の出来事のように自分とは一切関わりのない遠い世界のことのように感じているなど。

 参考までに以下のような作品は、主人公周辺で完結する作品ですが通常セカイ系とはなりません。
世界を左右できる権限や肩書きを持った政治家や高官が主人公の日常もの。
インフレなどの結果世界を滅ぼせるレベルの戦闘能力を持つに至ったバトルもの。
なぜか主人公らの近所のみで活動する悪の組織が登場するヒーローもの。
「主人公の狭い視野と(稚拙な)内面の描写」が、元々が揶揄から生まれた語であることからも察するに、重要な要素であると考えられます。