 |
漆喰 Lime Plaster(英)／Enduit à la Chaux(仏)／Intonaco di Calce(伊)／Kalkputz(独) |
消石灰(水酸化カルシウム)を主成分とした建材。
日本では麻繊維と海藻糊、西洋では砂を主なつなぎとしており、そのため前者は白(■)、後者はアイボリー(■■)をしています。
日本の城や土蔵、西洋の民家や聖堂など壁材としての使用が主ですが、日本では鏝絵(≒レリーフ)や漆喰細工、西洋ではフレスコ画の下地など、芸術分野でも用いられました。
漆喰は石灰岩や貝殻(特にカキ)など材料の調達が容易で、防火、耐水、調湿、防カビ、防音、遮光などの特長を持ちます。
その一方で乾燥に対してはヒビが入りやすく、湿度の高い風土向きの建材と言えます。
漆喰は約1ヶ月かけて乾燥し、硬化します(※)。
| (消石灰+二酸化炭素) | (炭酸カルシウム+水) | ||
| ※ | Ca(OH)2 + CO2 | → | CaCO3 + H2O↑ |
ライン引きの粉に糊を混ぜて、空気乾燥させたものだと思って頂ければ解りやすいでしょうか。
漆喰は英語では単に「プラスター」と呼ばれることが多いですが、プラスターは正しくは「石膏」で、鉱物石膏(Gypsum(英))を160℃以上で加熱(※)した「焼石膏(Plaster of Paris(英))」を主に指します。
| (二水石膏) | (半水石膏) | |||
| ※ | CaSO4・2H2O | → | CaSO4・1/2H2O | |
焼石膏も建材として用いられますが、芸術分野の石膏像や、医療分野のギプスとしての利用が主です。