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バンダースナッチ
Bandersnatch(英)

 ルイス・キャロル著『鏡の国のアリス(Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)』(1,871年)に登場するモンスター。
良く伸びる首と「燻り狂った」アゴを持ち、とても恐ろしく走る生物であると描写されています。
挿絵や作者コメントの類は残されておらず、それ以外の生物的特徴は一切不明。
ただし「Bandog(猛犬)」+「Snatch(ひっつかむ)」を語源とする説があるためか、犬の外観でイメージされることが多いようです。

 一方スピンオフ作品の『A New Alice in the Old Wonderland』(1,895年、アンナ・リチャーズ(Anna Matlack Richards)著)では、細い樹木と見まごう外観の、鉤爪つきの4本のを持つ生物として挿絵が描かれています。
上半身は描かれていませんが、尻尾の特徴も併せて類推するに、4足歩行型の(キリンに似た)翼竜類あたりをイメージして描かれているものと思われます。

 対して続編として作られた映画『アリス・イン・ワンダーランド(Alice in Wonderland)』(2,010年、ディズニー)では、ビーバーのような体格と、丸顔の犬のような顔、そして白地に黒斑点の毛皮を持った巨大な生物として登場します。
なお初期稿では、熊のような体躯を持った巨大な化け猫のイメージだったようです(毛皮は同じ)。

 他にもライオンのような外観であったり、トビネズミに似たタイプのものなど、創作物によって様々です。
概ね共通する点は、速そうであることと、鋭い鉤爪を持つということでしょうか。
首が伸びるという点はあまり踏襲されていないようですが、一方で、腕の長い人型モンスターという変わり種も存在します。