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片眼鏡/モノクル
Monocle(英)/Monocle(仏)/Monocolo(伊)/Monokel(独)

 片方の目だけに装着する眼鏡。
レンズは真円で、眼鏡というよりペンダントルーペやルーペストラップに近い形状をしています。
眼窩(目周辺の窪み)にはめ込む、または鼻根(鼻上部、目と目の間)に引っ掛けるものが一般的で、多くはや鎖などのストラップがついており、落としても紛失しないよう、服に繋ぎ留めておくことができます。
変り種では、フードや帽子から吊るした状態で用いるタイプもあります。

 片眼鏡が初めて用いられたのは1,830年代のイギリスで、当初は金属の輪にレンズがついただけの構造で、目とレンズとの隙間がほとんどありませんでした。
その後1,890年代にフレームが立体構造となり、これにより上記の問題が解消されます。

 片眼鏡はヨーロッパ諸国で用いられましたが、特にイギリスでは上流階級(主に男性)の象徴とされました。
構造上オーダーメイドに頼らなくてはならなかったのも、理由の1つかもしれません。
富の象徴として、主人だけでなく執事に着けさせることも流行しました。
日本でも明治期(1,868〜1,912)に流行しましたが、彫りの浅い顔では装着が難しく、ヨーロッパほどは定着しませんでした。